生酛作りで有名な大七酒造の純米生原酒です。アルコール度数は17度。精米歩合は69%となっていますが、独自の精米方法なのでしょうか超扁平精米とも書き加えられています。
注いだおちょこに鼻を近づけると柔らかい香りが立ち上ってきます。口に含むとその柔らかさが口に広がります。とてもなめらかです。そして旨みも感じていることに気づきます。飲み込んだときの鼻の奥から後頭部へ抜ける感じも、その柔らかさ伴ったまま喉の奥へ流れていきますが、飲み込んだ瞬間に引き締まった印象も加わります。このような感覚は、これまであまり感じたことがありません。精米歩合が69%だと雑味を感じるお酒もありますが、このお酒は雑味を感じることがありません。お米のおいしさを生かした純米酒です。そして伝統的な生酛作り、かつ生原酒、しかも吟醸酒でないとなると、これ以上の純日本酒はあるのだろうかと思えてきます。
これまでの日本酒とは違う世界を見せてくれます。今の技術をもって伝統的な手順で時間をかけて日本酒を作ればこういうものになるのだと教えてくれます。香りから始まり、飲み込んだときまでの印象がこれほど変わるお酒には、これまで出会ったことがなかったです。新しい味わい方を教えてくれた大七に感謝します。