ノルウェー国立美術館(オスロ)お気に入り

オスロにあるノルウェー国立美術館にはムンクはもちろん、たくさんの有名なノルウェー画家の絵が展示されています。私のお気に入りは光の使い方が特に印象的な画家たちで、幻想的な風景であったり、現実の風景そのものを思わせる絵が特に好きです。ノルウェー国立美術館に展示されているお気に入りの絵を紹介します。

まずは大好きなHarald Sohlbergの3つの作品です。

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Harald Sohlbergの絵です。雪山を照らす月明かりが山全体を浮き上がらせているようです。
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Harald Sohlbergの2つめの絵です。テラスから望むフィヨルドの景色がなんとも言えません。テラスに咲き誇る花や家の壁をつたうつる草から夏を連想させます。右側に山があり、テラスや机の向きから推測するに夕陽の風景なのかなと思います。もしかしたら白夜に近いかもしれません。
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これもHarald Sohlbergの絵です。朝陽なのか夕陽なのかわかりません。ノルウェーだと朝焼けも夕焼けもこのような色合いになることがありますが、画面の左に陽があるとすれば、朝陽なのでしょうか。以下に、オスロの朝焼けと夕焼けの2つの写真を紹介します。

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これはオスロの港の朝焼けです。壮大な1日の始まりを感じたのですが、Harald Sohlbergのこの絵も同じ印象を受けました。
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こちらはオスロの港の夕焼けです。こちらは透明感があり、清らかな印象です。極楽浄土はこんな感じなのでしょうか。Harald Sohlbergの絵は朝焼けなのか夕焼けなのかどちらでしょう。f:id:ponponfront:20240428162302j:image

こちらはJohan Christian Dahl(1788-1857)の絵です。陽の光が荒い海にさした時の様子を描いているようです。写真だとわかりにくいですが、雲と波に当たる光は見事です。実際に海を眺めた時に陽の光が雲の隙間からさした時の印象そのものでした。
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これはPeder Balkeの絵です。Dahl同様、雲の隙間からさした太陽の光が海に当たった時の印象を描いているようです。海面が強く輝いている印象を受けます。
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そして、こちらはHans Gudeの絵です。この美術館における一番のお気に入りと言っていいかもしれません。DahlやBalkeと同様に雲を通過する太陽の光が海面を照らす絵で、海の風景画の定番スタイルのようです。DahlやBalkeは周辺部とのコントラストを大きくすることでより明るい部分を際立たせています。Gudeのこの絵も同じような手法を使っていますが、暗い波の箇所であっても光の反射を描いています。これにより、より強いリアリティが印象として心に刻まれているように感じます。この絵を見た時ふと、Appleの Retinaディスプレーで写真や動画を見た時の印象と重なりました。Appleもこのような印象を与えることを目指してディスプレー作りに取り組んでいるかなと勝手に思ったりしました。
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こちらもHans Gudeの絵ですが、たいまつの炎が印象的です。この絵では、太陽ではなく、月の光が水面を照らす様子を描いています。さらにこの絵の印象を深めているのは、船に乗る人々の顔や服に照らされたたいまつの光の加減ではないでしょうか。
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こちらはこれまでとは少し変わった絵です。Peter Nicolai Arboの絵です。馬にまたがる女性の戦士が空を駆け回ります。空想の世界ですが、もしかしたら北欧の神話の神をモチーフにしているのかもしれません。ゲームに出てくるキャラクタのモデルになっていそうだなと思ったりしました。
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とても有名な画家の一人であるChristhian Krohgの絵です。産業化が進むことで貧富の差が生じており、貧しい人が食料を求める姿が描かれています。f:id:ponponfront:20240428162256j:image

Jorgen Sorensenがノルウェーの冬を描いた絵です。真冬であれば全面が雪に覆われているはずですが、雪が溶けて地面が見えている様子から春が近いのかもしれません。今は馬車はいませんが、景色としてはノルウェーの典型的な冬の風景と思います。
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上段がSofie Werenskiold、下段がSigne Scheelの絵です。上段の絵は、初夏のいちばんいい季節の絵だと思います。ゆっくりとした時間が、静かにたたずんでいるようです。下段は木漏れ日の中で過ごす人々を描いていますが、左上の木の葉が少し紅葉しているので、晩夏か初秋なのかなと思います。この季節になると屋外で過ごせる時間も残り少なくなってきますので、屋外で過ごす時間はとても大切なひと時になります。
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再びChristian Krohgの絵です。先程の貧しい人々を描く社会性のある絵とは違って、Sofie Werenskioldの先程の絵と同様、ここには静かな夏の時間が描かれていると感じます。大きな絵なので、絵の前に立つとこの世界と時間に没入することができます。


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Kitty Kiellandの風景画です。フィヨルドの地形が生かされた風景でノルウェーの自然の様子が伝わってきます。水面に映る空の明るさが、水の透明感を伝えてくれます。


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これもKitty Kiellandの絵です。夕方に近い日の光の印象です。ここも水面に映る空の様子から、水の透明さを感じます。ノルウェーにはこのような水が溜まっている場所がよくありますが、どこも水が透明できれいです。
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さて、最後にムンク(Edvard Munch)の作品群です。これは橋の上の少女の絵ですが、20分ほどの離れたところにあるムンク美術館にも同じ絵があります。ムンクは同じ絵を何枚か描くそうで、同じ絵が複数存在します。しかし、この絵に関してはムンク美術館にある絵とはある箇所が異なります。それは一人の少女の服の色です。どの少女かはムンク美術館で確かめてください。
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ムンクの超代表作「叫び」です。この絵も複数存在します。空の色がオレンジですが、もしこの色が実際の空の色なのであれば、この方向は西ですので、夕陽なのだろうと思います。まあ、ムンクのことですから見た目の色をそのまま使うとは思えませんが。この風景を見てみたい場合は、オスロ中央からバスで15分ほどのエケベルグ(Ekeberg)の丘へ行けば見ることができます(絵を描いた場所は諸説あるようですが、雰囲気を味わえるのはここだけです)。最寄りのバス停はBrannfjelveienです。
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これもムンクの絵です。病床の少女を描いたです。生死をテーマにした絵が多いのもムンクの特徴です。

ノルウェーの画家といえばムンクの印象が強いですが、それ以外にも素晴らしい画家はたくさんいます。ある自然を眺めた時に受け取った印象を伝えることに長けた画家が多いというのが私の感想です。そして、それだけ絵にしたくなる多くの自然があるのがノルウェーのいいところだと思います。

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