ルーブル美術館には銅板画を使う「カルコグラフィー室」があり、そこが所有する銅板画の展示会が八王子市の夢美術館で開催されています。ルーブル美術館が所有する油絵などを模写した銅板画や、ルーブル美術館の建物を描いた銅板画などが展示されています。いずれもとても緻密な絵でとても驚きました。この美術展の入り口に虫眼鏡が置いてあったのですが、最初は何で置いてあるのか分かりませんでしたが、部屋に入って絵を見てみると納得しました。あまりに細かい線なので、虫眼鏡で拡大しないとそのディティールがわからないのです。
西洋と言うと、油絵が一般的に思われますが、油絵だと大量に生産することができません。その点、銅版画は版さえあれば、何枚でも印刷することができるので絵の知識の普及に適しています。日本だと浮世絵は版画であるために普及することができましたが、欧州の場合はどのような印刷技術があったのだろうと疑問に思っていましたが、その役割の一翼を担っていた銅板画のことが理解できたので勉強になりました。