国立公文書館 文書管理の歴史を紐解く展

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公文書やその保管方法を紹介する展覧会です。日本書紀、古事記に始まり、貴族の日記、古文書などを展示しています。日本書紀、古事記などは何度も転写をされることで記録として今に残されているのだそうで、記録は当たり前に残るものと思っていましたが、相当なエネルギーを費やさないと残るものではなく、文書管理をされている人々の真摯さに敬服しました。

古くは日本書紀、古事記、風土記が記録文書として残されましたが、貴族に政治の実権が移ると貴族が残す日記に記録の主軸が移っていきます。日記には慶事祭事、外部との関係など備忘録が記されており、日記は個人の記録ではなく、今で言う議事録の性質であることがわかりました。また、その後の江戸幕府もしかりですが、政権を持つものは記録の収集には力を入れており、情報の蓄積がいかに大事であったかを認識することができました。

絵などの美術品や音楽といった芸術は日頃展覧会で見ることができるので、保管の苦労や触れることのありがたさがわかりますが、記録にも相当な労力が割かれていることを実感しました。

また、記録を残すことの重要さも改めて認識しました。記録がなければそれはなかったことになってしまうか、口頭伝承だと信憑性が著しくなくなってしまいます。権力を持続させるためには記録によってその事実や権利を把握し、他へ知らしめることが重要だということです。思えば記録は動物の中でも人間だけが編み出した道具です。記録があれば、時間と場所を超えて広く人々に物事を伝えることができます。

自分も日頃記録をきちんと行い、適切なタイミングでなすべきことをできるようにしておかなくてはならないと感じました。

2021-08-29 掲載

 

 

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