あらすじとイラストでわかる資本論 文庫ぎんが堂

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資本論

マルクス資本論の概略をまとめた本です。資本主義の本質がわかりやすく書いてあります。資本家は富を得るために資本を使って労働力を買い、これによって剰余価値という富を得ます。その剰余価値を生産性の向上に回して、労働力を減らすことでさらに富を得るという構図がとてもわかりやすくまとめられています。原著や翻訳本を読むともっと理解が深まるのでしょうが、資本主義の概略を知ることが目的であれば、十分に理解することができます。

今の世の中を鑑みても、資本論で書かれていることがそのとおり起きていると感じます。本書によれば、経営者や資本家(もしくはその立場の近くまで出世した人)でなければ、富を増やすことはできません。労働者が一生懸命頑張って働いた結果、ボーナスをもらうことがありますが(それすらないこともある)、それは経営者が十分に剰余価値を差し引いた上で、わずかな金額を労働者に回しているだけ、それが資本主義の本質なのだから仕方ないということになります。

この本を読んで理解したのは、労働者は富を増やすことはできないということ、そして労働者は、資本家や経営者の利益のために、自分の時間を犠牲にする必要はないのだろういうことです。

  掲載日 2021年5月5日

 

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