大衆酒 月桂冠「月」と白鶴「まる」

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花粉症で鼻が効かなくなる前に、大衆酒の代表格、月桂冠「月」と白鶴「まる」の違いが気になり、飲んで比較してみることにしました。京都伏見と兵庫灘の有名な酒造から出されているいずれもリーズナブルなお酒、庶民の味方です。

アルコール度数はいずれも同じ13%です。

最初に口にしたのは、白鶴「まる」です。一口飲んでみました。

香りふくよか。雑味もあるがふわっとした口当たり、味もまたふくよかです。飲み込む時には鼻の奥から後頭部に抜けるふわっと感をわずかに感じます。うん、これいけるな。そんな印象です。

次に、月桂冠「月」を一口飲んでみます。

うっすらとした香り。スッキリとした味わい。クセがない。よくここまでクセをなくしたものだと感心します。これはこれでうまい。

たった、一口づつ飲んだだけでしたが、両者にはコンセプトの違いがあるな、そんな第一印象です。

もっと違いはないものか知りたくて、というか両方ともおいしくて、両者を交互に飲んでいくと、両者の性格の違いがわかってきます。やはり「月」にはクセがない。個人的には、「月」はちびちび飲むのに適しているようです。というのも、いくら口に含んでも何に対しても邪魔をしないのです。食べてるつまみの邪魔をしない、考え事をしていても思考の邪魔をしません。そして時間が経っても香りや味が変化しません。そういう味と香りをねらったのでしょうか。

「まる」はだんだん甘さを感じるようになってきました。3合目あたりから味の変化を感じます。お酒を飲んでいくうちに酔っ払っていくせいか、自分の味覚が変わっていきます。ちょっと甘すぎるかな。でも、お酒は呑むものですので、自分の味覚の変化は仕方ありません。また、毎日1、2合くらいであれば、ちょうどいいお酒かもしれません。

白鶴「まる」と月桂冠「月」にこんなに違いがあるとは思いませんでした。両者はポリシーが異なると感じます。食事やつまみの邪魔をしない「月」、この価格でありながらも日本酒らしさを意識したつくりの「まる」。どちらがいいとかはありませんが、最初は香りのいい「まる」にひかれましたが、最終的には量を飲んでもちびちびいける「月」が私好みだとわかりました。日本酒初心者の方は「月」から初め、物足りなさを感じたら「まる」という順番がいいかもしれません。もしくは、今回のように、両方を飲み比べてもいいと思います。日本酒好きとしては邪道ではありますが、趣向としては楽しいし、勉強になります。

 

 

2021-02-21 掲載

2021-03-18 更新

 

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